原発や再生可能エネルギーによる発電コストの試算を見直す経済産業省の「発電コスト検証ワーキンググループ」が4月27日開かれ、原発の発電コストを1キロワット時当たり「10・1円以上」とする新たな試算を同省が提示しました。28日に開かれる、2030年時点の電源構成(エネルギーミックス)を検討する有識者会議に報告されます。
発電コストはキロワット時の電気をつくる費用。原発の発電コストは、2011年12月の試算で示された「8・9円以上」と比べて今回は約1円上昇。しかし、原発の新規制基準に対応した対策をとることで事故の発生確率が前回の想定より半分になるとする考えを導入。損害賠償などの損害費用を5・8兆円から9・1兆円に増やしたものの、事故確率を盛り込むことで「事故リスク対応費用」が前回の1キロワット時当たり「0・5円以上」が「0・3円以上」と、6割に減るとしました。
同省は、燃料費の増加が見込まれる火力発電のコストが石炭や液化天然ガス(LNG)が同12〜13円と試算されたのと比べ、原発は低い水準にあるとして原発固執の姿勢を変えない考えです。
(「しんぶん赤旗」2015年4月28日より転載)