日本共産党の藤野保史議員は4月24日の衆院経済産業委員会で、東京電力福島第1原発事故の原因究明に向けて政府事故調査委員会が行ったヒアリング内容の公開を求めました。
安倍晋三首相は衆院本会議(16日)で藤野氏の質問に「(事故原因究明を)今後とも中長期にわたって継続的に取り組む」と答弁しています。藤野氏は「言葉だけでなく、実際にやることが必要だ」と指摘し、事故当時に第1原発所長だった吉田昌郎氏の証言を紹介しました。
1991年10月に発生した、同原発1号機配管から海水が漏えいし原子炉を手動停止させる事故について、吉田氏は政府事故調のヒアリングで「日本で一、二を争う危険なトラブル」と証言しています。藤野氏は、このトラブルの東電最終報告書を示し、「危険への認識が所長と大きく違う」と質問。「事故は大変なことと受け止め、対策を取った」と答えた広瀬直己東電社長に対し、藤野氏は「浸水による電源喪失対策が取られず、吉田氏が懸念したことが現実になってしまった」と東電の姿勢を批判しました。
藤野氏は、政府事故調報告のヒアリングは「福島第1原発原因究明の第一級資料だ」と強調し、勝俣恒久元会長ら東電幹部4氏の証言を公開するよう求めました。内閣府の中井徳次郎内閣審議官は「ヒアリングは非公開を前提にしたもの。(4氏がヒアリングを)受けたかどうかも答えられない」と非公開の姿勢を変えませんでした。
(「しんぶん赤旗」2015年4月27日より転載)