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高浜原発再稼働差し止め・・福井地裁が仮処分決定/弁護団が声明

 

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判決を受けて、記者会見で発言する中嶌哲演・大飯原発差し止め訴訟の原告団長(明通寺住職)
判決を受けて、記者会見で発言する中嶌哲演・大飯原発差し止め訴訟の原告団長(明通寺住職)

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを求めた仮処分(福井県や関西の住民ら9人が訴え)の申し立てについて、福井地裁の樋口英明裁判長は4月14日、住民側の主張をほぼ全面的に認め、申し立てを認める決定を出しました。仮処分の手続きで原発の運転差し止めが認められたのは初めてです。

 同決定の取り消し・変更や仮処分の執行停止がない限り再稼働できず、関電は今年11月に高浜3、4号機の再稼働をめざしていましたが、計画への影響は必至です。

 高浜3、4号機については、原子力規制委員会が2015年2月12日、再稼働の前提となる原発の「新規制基準」に適合しているとし、「審査書」を決定。3月20日には、地元の高浜町議会が再稼働に同意していました。

 仮処分は、判決確定まで効力が発生しない訴訟とは異なり、決定が出た段階で法的拘束力が生じます。関電側は決定に対して地裁へ異議申し立てができ、その場合は改めて地裁で審理されることになります。

原発事故を防ぐための安全対策などが争点に

 住民側は、関電大飯原発3、4号機(同県おおい町)運転差し止めを命じた昨年(2014年)5月の福井地裁判決に触れ、「再稼働で住民の人格権が侵害される危険がある」と主張しました。一方、関電は「多重防護の考えに基づく対策を講じ、安全性は確保されている」と反論。住民側が主張する「人格権が侵害される具体的危険性はない」とし、却下を求めていました。

規制庁「直接コメントする立場にはない」

 高浜原発3、4号機の再稼動を認めない福井地裁の仮処分決定を受け、原子力規制庁の米谷仁総務課長は14日の定例記者会見で「仮処分決定は報道等を通じて承知しているが、理由については承知しておらず、原子力規制委員会は当事者ではないため直接コメントをする立場にはない」と述べたといいます。

(2015年4月15日山本雅彦)

高浜原発3・4号機運転差止仮処分命令を受けての弁護団声明 

 福井地裁は、本日、関西電力に対し、高浜原発3・4号機の運転差止めを命じる仮処分命令を発令しました。 

 高浜原発3・4号機については、規制委員会が設置変更許可を出しましたが、本命令によって再稼働することはできなくなりました。 

 司法が現実に原発の再稼働を止めた今日という日は、日本の脱原発を前進させる 歴史的な一歩であると共に、司法の歴史においても住民の人格権ひいては子どもの 未来を守るという司法の本懐を果たした輝かしい日であると思います。 

 もっとも、原発が人格権という最も重要な権利を侵害するものであることは,既 に昨年5月21日の福井地裁判決が明らかにしていたところであり、この判決を無 視して国と電力会社が原発の再稼働を進めようとしたことは、露骨な司法軽視であ り、三権分立という日本の統治制度の根幹を揺るがしかねない重大な問題であると 考えます。 

 本命令は、このような国と電力会社による暴挙を正したものといえますが、国と 電力会社は、今度こそ司法の判断を厳粛に受け止めるべきです。 

 国と電力会社に対し、本命令を機に、福島原発事故という現実を直視し、高浜原 発3・4号機のみならず、すべての原発の再稼働を断念し、脱原発に舵を切ること を強く求めます。 

2015年(平成27年)4月14日 脱原発弁護団全国連絡会、大飯・高浜原発差止仮処分弁護団

共同代表 河合弘之・海渡雄一 

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