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“福島に生きる”平和の意志自分の庭に・・アンネのバラを庭に植えた 続直人さん(71)

続さん(中央)にアンネのバラの苗を手渡す樋口夫妻=3月11日
続さん(中央)にアンネのバラの苗を手渡す樋口夫妻=3月11日

 福島県西郷村に住む続直人(つづき・なおひと)さん(71)は、自宅の底に三種のバラを植えました。アンネのバラ、カズエバラ、バラ・ピースの三つです。

 福島市で3月14日に聞かれた「2015原発のない福島を!県民大集会」に横浜市から参加した樋口義博さん夫妻から譲り受けました。

■愛と平和の象徴

 アンネのバラは、ナチス・ドイツの大虐殺の犠牲になったアンネ・フランクが自然を愛し、とりわけバラが好きだったことからアンネの父のオットー・フランクが作りました。それが世界中に広がり、日本へも寄贈され広まりました。「愛と平和のシンボル」となっています。

 カズエバラは、横浜市で起きた米軍機墜落事故で亡くなった林和枝さんの父親が園芸家だったことから作りました。親交のあった樋口さん夫妻に託されて全国に広げています。

 バラ・ピースは、ロバート・パイルが1945年にベルリン陥落を記念して作り発売したバラです。ロバート・パイルはこの年の国際連合の初集会に持参し、「平和のバラが人々の胸に世界平和を永久に印象づけることを希望する」という言葉を贈ったといわれています。

 「原発は平和と両立しない」と思っている続さんは、「脱原発と集団的自衛権行使容認の動きに抗する意志を自分の底に表すために平和と脱原発の象徴として三つのバラを植樹しようと考えた」といいます。二人持っていて満足するということではなく福島県全体にアンネのバラが広まってくれれば、うれしい」と思っています。

■「人間の尊厳」を

 続さんは、東北福祉大学を卒業後、社会福祉事業財団の職員(生活指導員)として大阪府の東大阪市や羽曳野市で働いてきました。福島県にもどり社会福祉事業団で働きました。「人間としての尊厳を守りたい」という思いからです。定年後は、実家が福島県川俣町にあったことから福島県に住むことにしました。

 国は、集団的自衛権の行使容認と「戦争をする国」へと舵(かじ)を切り、原発再稼働をさせようとしています。

 「今の政治は心配だ。何を考えているのか。拡大解釈して戦争に参加する事例をつくる。国民が分からないうちにどんどん進められてしまうのではない

か」と危惧します。

  「原発事故の教訓は賠償すればよいということでもない。原発事故がなかったものとされています。古里をなくすということはつらい。古里に簡単に戻れない県民たち。被害者みんなが人間として扱われているか?人間の生活とかけ離れている原発。廃炉にするほかにない」と痛感しています。

 「2011年に原発事故にあい、この地に語り部が必要だ。県民の1人としてやりたい。原発関連の情報発信として多彩に送り出していきたい」

(「しんぶん赤旗」2015年4月13日より転載)

菅野尚夫)

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