日本の2030年の電源構成(エネルギーミックス)や温室効果ガス削減目標が政府審議会などで検討されるなか、3月23日、研究者による緊急報告会が東京都内で開かれました。主催は、エネルギーミックスと温室効果ガス数値目標を考える研究者の会。
国内外の機関や研究者、NGOなどが発表しているC02排出削減量、再生可能エネルギー導入率など21の試算結果を国立環境研究所の増井利彦さんが紹介しました。
東北大学の明日香壽川教授は、会の趣旨について「このままでは、少ない委員による限られた研究や試算結果に基づく議論で日本の削減目標が決まりかねない」と話しました。
さらに「省エネ、再エネの積極的な導入で温室効果ガスの大幅削減が可能なことは複数の試算から明らか。省エネ・再エネ導入は、技術革新や新規需要、新たな雇用を生み出す」と強調しました。
システム技術研究所の槌屋治紀所長は、「電力はエネルギー需要の3分の1であり、2030年に太陽光・風力で100%まかなうことはそう難しいことではない」と見通しを述べました。
「会」では、4月8日に東京工業大学で各試算を比較検討するシンポジウムを予定しています。
(「しんぶん赤旗」2015年3月24日より転載)