関西電力と九州電力など電力4社が、運転開始から40年前後経過する老朽原発計5基の廃炉を18日にも正式決定する方向で最終調整していることが14日までに分かりました。4社は決定後、速やかに地元自治体に説明する方針。いずれも出力規模が小さく、多額の安全対策費を投じて稼働を延長しても採算が取れないと判断したといいます。
廃炉が決まる原発は、関電の美浜1、2号機(運転開始からそれぞれ44年、42年、福井県美浜町)、九電の玄海1号機(同39年、佐賀県玄海町)、中国電力の島根1号機(同40年、松江市)、日本原子力発電の敦賀1号機(同45年、福井県敦賀市)の5基で、出力
は34万~55・9万キロワット。4社は地元自治体への説明後、19日にも経済産業省に廃炉の決定を報告する見通しです。
一方、関電は高浜1、2号機(それぞれ40年、39年、出力はいずれも82・6万キロワット、福井県高浜町)の運転延長に向けて、今年度内に申請する方針を明らかにしています。
原発の運転期間は原則40年ですが、原子力規制委員会の審査で認められれば最長20年の延長が可能となります。そのため、設備の劣化状況を調べる「特別点検」をした上で、運転期限の1年前までに申請する必要があります。運転期間を定めた改正原子炉等規制法が来年7月から本格適用されるため、それまでに審査を終えなければなりません。
(しんぶん赤旗2015年3月15日付けより転載)