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関電側の「裁判官忌避訴え」棄却・・ 福井地裁 高浜差し止めへ3月26、27日にも判断

 関西電力高浜原発3、4号機(高浜町)と大飯原発3、4号機(おおい町)の運転差し止めを求めた仮処分申し立ての第2回審尋が3月11日、福井地裁であり、高浜原発の申し立ては結審しました。これに対し、関電側の代理人は、樋口英明裁判長ら裁判官三人を担当から変えるよう「裁判官忌避訴え」を申し立てました。大飯原発3、4号機については5月20日に第3回審尋が開かれます。

福井地裁、関電申し立てを棄却

 その後、福井地裁は3月13日、関電の同申し立てを棄却しました。関電側は準備が整い次第、名古屋高裁金沢支部に抗告すると発表しました。関電は、「誠に遺憾。福井地裁について議論が尽くされておらず、決定を出そうとしていることは不当であり、裁判官交代の上、公正な審理を行っていただきたい」と発表しました。

関電の審理引き延ばし、明らか

 この裁判の代理人の一人である井戸謙一弁護士は、「担当の樋口裁判長は、3月一杯で、福井地裁から転勤する。私たち申立人側は、樋口裁判長に決定を出してほしいため、本日の期日で審理を終えることを希望していた。他方、関西電力は、直前になって、基準地震動の問題、及び使用済み燃料ピットの安全性の問題について専門家の意見書を出すので、その機会を与えるように求めた。目的が、審理を引き延ばして、樋口裁判長に決定を出させないことにあるのは明らかである」と強調しました。

 関電は、福井地裁大飯原発差し止め訴訟(2014年5月21日判決、現在は名古屋高裁にて係争中)の約2年の審理でも、「証人は一切出さない」と一貫して言い続けてきており、井戸弁護士の指摘どおり、「審理の引き延ばし」であることは明らかです。

樋口裁判長・・「既に機は熟しているので決定」
関電・・3人の裁判官に対し、裁判官忌避の申立て

 これに対する樋口裁判長の判断について、井戸弁護士は、「①高浜3、4号については、設置変更許可が出ており、保全の要性が認められる。既に機は熟しているので、決定をする(本日で審理を終結し、今の裁判体で決定するとの意味)。決定をする期日は、決まったら、その5日前までに双方に告知する。②大飯3、4号については、審理を続行する。次回期日は5月20日。」

 「関西電力の代理人は、『我々に専門家の意見書提出の機会を与えないということか』と気色ばみ、3人の裁判官に対し、裁判官忌避の申立てをした。市民の側が裁判官忌避を申し立てるのは珍しくない(大津地裁でもした)が、大会社が申し立てるのは極めて珍しい、と思う。それだけ関電が追い詰められているということだ。」

 「この裁判官忌避の申立ては、訴訟指揮に対する不服であるから、認められる余地はない。したがって、今月末には、高浜3、4号機の運転を差し止める仮処分決定が出る可能性が、極めて高くなった。昨年の福井地裁判決の判決は、控訴されれば確定が遮断されますから、直ちに原発の運転を差し止める効果は発生しない。しかし、仮処分決定は、直ちに効果が発生する。関電は、原子力規制委員会からすべての認可をとり、地元自治体の同意を得ても、再稼働できなくなるのである」と指摘しました。

市民と司法の力で高浜原発差し止めへ、3月26、27日が可能性高い

 さらに、井戸弁護士は、「市民と司法の力によって、原発の運転を現実に差し止める。その歴史的な事態が、今月末に実現しそうだ」と指摘。その日は、「3月26日か27日が可能性が高いのではないか」と強調しました。
(2015年3月15日、山本雅彦)

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