環境省は3月13日、東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などの中間貯蔵施設への搬入を開始しました。
同日午後、福島県大熊町にある仮置き場から町内の施設に設けた保管場に汚染土を輸送。
施設は大熊、双葉両町にまたがって建設する予定で、環境省は当初、双葉町側の保管場にも同時に搬入する方針でした。しかし、町内の調整が付かず25日に延期となり、大熊町
側の搬入を先行しました。
環境省は、搬入開始から最初の1年間は試験輸送の期間と位置付け、除染を実施した県内の43市町村からまず1000立方メートルずつを運び入れます。4月末までに原発周辺の9市町村分を終え、その後に他の市町村に拡大します。
施設への搬入をめぐっては、国は2011年10月に示した工程表で、15年1月中に開始する目標を掲げていました。ただ、最終処分場になることへの懸念を持つ地元自治体との協議が長期化していました。
中間貯蔵施設・・東京電力福島第1原発事故の除染で出た福島県内の汚染土や焼却灰などを保管する施設。同県大熊、双葉両町の福島第1原発周辺に建設し、最大2200万立方メートル(東京ドーム18杯分)の貯蔵を想定しています。国は施設整備などの責任を負い、全額出資する特殊会社「中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)」に実際の運営を委託します。
(しんぶん赤旗2015年3月14日付けより転載)