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30キロ圏外は屋内退避 規制委が防災指針改定案・・意見公募へ

 原子力規制委員会は3月4日、原発事故が起きた場合の原子力災害対策指針(防災指針)で、先送りにしていた半径30キロ圏外の住民の対応や東京電力福島第1原発の防災対策などを追加した改定案を了承しました。一般からの意見公募を5日から30日間、実施します。

 改定案は、現行で避難計画策定が義務づけられていない30キロ圏外で放射性ヨウ素などを含む雲(プルーム)による被ばくを避けるための防護措置について、放射性物質が大量に放出される恐れのある場合は、規制委が屋内退避を指示します。

 ヨウ素剤については、服用のタイミングが予測できないなどとして「効果的に実施可能な防護措置であるとは言えない」と判断。指針の「プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域(PPA)」を削除しました。

 屋内退避は、原発の敷地境界などで観測された放射線量にもとづき判断。対象範囲を事前に決めず、同心円状に市町村単位で規制委が指示します。

 また、30キロ圏内の住民の避難先や救護所での放射能汚染検査などが30キロ圏外にあります。そのため、圏外の屋内退避が長く続けば支障が出るとして、航空機モニタリングなどでプルーム通過を判断し、屋内退避の指示をすみやかに解除します。

 福島第1原発の対策では、敷地境界の放射線量が3ヵ月平均と比べて毎時5マイクロシーベルト上昇した場合や使用済み燃料プールに異常が生じた場合に、同原発の避難指示区域に立ち入っている住民に域外退去を指示します。

 また、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI、スピーディ)は、事故直後に放射性物質の放出量を把握するのは困難として避難の判断に使わず、削除しました。

(「しんぶん赤旗」2015年3月5日より転載)

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