気候変動をめぐる国際交渉の最新動向について環境NGOが1月21日、東京都内で報告会を開き、会場いっぱいの180人が参加しました。主催は、世界の環境NGOのネットワークの日本版、CAN‐Japan。
昨年12月にペルーのリマで開かれた国連気候変動会議(COP20)に参加したメンバーが報告しました。WWFジャパンの小西雅子さんは「交渉は難航したが、すべての国を対象とする枠組みへ移行する道筋はついた」と指摘。「これまでの『先進国と途上国の対立』という構図から、ブラジルやメキシコが『経済成長にともなって新興国も削減義務を負うべき』と表明するなど新たな努力もみられる」と述べました。
欧州連合、米国、中国は2030年の削減目標を公表していますが、世界第5位の排出量を占める日本はまだ目標を決めていません。気候ネットワークの平田仁子さんは日本が京都議定書第2約束期間から離脱して以来、温暖化の国内対策も削減目標もない状況を紹介。日本政府に対し、▽早く高い削減目標を▽途上国支援▽温暖化対策を原発再稼働に矮小(わいしょう)化させない▽再生エネ、省エネ、燃料転換の推進、などを提言しました。
参加者の「市民に関心を持ってもらうためには?」の質問に答え、WWFジャパンの山岸尚之さんは、「今年は地球や人類の将来の分かれ目になる年。日本が早く高い削減目標を掲げ、積極的な役割を果たせるようにしたい」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2015年1月22日より転載)