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「川内原発 火山審査―何が問題か」(下)被害直視して想定を・・静岡大 小山真人教授(火山学)に聞く

 ―破局的噴火より一回り規模の小さい、噴出物量が10〜100立方キロ程度の噴火(火山爆発指数で6)の影響評価について九州電力は、川内原発での降灰量を最大で15センチと評価しています。その場合、フィルターの設置などの対策で、「安全機能は損なわれない」と評価していますが。

甘い降灰量推定

 小山 15センチの降灰は、九電が約1万3000年前の姶良(あいら)カルデラでの桜島薩摩噴火の降灰量からシミュレーションした結果の推定です。しかし、同規模の噴火として過去に姶良福山(約9万年前)、姶良岩戸(約5万年前)などあります。この両噴火で実際に放出された降下火山灰

の分布は、台風通過時などの悪い風向きとなった場合に、川内原発周辺に1メートル程度降り積もる可能性を示しています。2倍程度の余裕をみて、降下破砕物の推定は2メートルと見る必要があるのではないでしょうか。

 ―九電は、各カルデラをモニタリング(監視)して地殻変動などの兆候をとらえ、破局的噴火の「可能性がある場合には、原子炉の運転の停止、燃料体等の搬出等を実施」するとしていますが。

 小山 これまでに破局的噴火を機器観測した歴史はなく、そういった規模の噴火予測について知見がほとんどありませんし、マグマ溜(だま)りが上下方向に膨らむ保証はありません。ほとんど地殻変動を伴わずにマグマの蓄積が完了する可能性もあります。ましてや燃料体の搬出に間に合うように数年前に予測することは不可能でしょう。

甚大な噴火被害

 ―規制委にたいしては。

 小山 それでも原発を稼働させるというのであれば、モニタリングに失敗し、火砕流で原発が破壊された場合の被害想定を原子力規制委員会の責任で、すべきではないでしょうか。

 大規模カルデラ噴火の発生の確率は決して高くはありません。しかし、その被害の深刻さを直視しなくてはいけません。

 厚い火砕流堆積物に埋まった原発に対しては、手の施しようがありません。放射能は長期にわたって、大気や海に漏洩(ろうえい)するでしょう。その放出量や汚染の広がりを科学的に推定し、そういったリスクが容認できるのか、社会的に同意を得る必要があるのではないでしょうか。

 破局的噴火の被害は甚大です。生き延びた人々には、なお厳しい現実が待っているでしょう。放射能による汚染は、これに追い打ちをかけることになるのです。

(おわり)

(「しんぶん赤旗」2014年12月24日より転載)

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