原子力規制委員会は12月10日、原発で重大事故などの緊急事態が発生した際に、現在100ミリシーベルトとされている作業員の被ばく線量上限値を引き上げる検討を始めました。田中俊一委員長は「東京電力福島第1原発事故では、250ミリシーベルトに一度決めたこともあるので、この辺りをベースに検討したらどうか」と述べました。
福島第1原発事故の際は、通常の線量限度では対応が不可能だとして急きょ250ミリシーベルトに引き上げられた経緯があります。更田豊志委員は「(上限の)数字については申し上げないが、ばたばたと変えないのが大事。ばたばた変えると、事前の教育や訓練、準備がないのに(従事する作業員に)意思決定を迫ることになる」と指摘しました。
規制委は今後、作業員への事前教育や意思確認の方法、適用の条件などについて具体的な制度設計を進め、上限値を引き上げる場合には放射線審議会に諮問します。
(「しんぶん赤旗」2014年12月12日より転載)