活断層の可能性が指摘されている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の原子炉建屋直下を走る破砕帯(断層)について、原子力規制委員会の専門チームの第2回評価会合が12月4日、開かれました。次回は専門家同士で論点を議論することにしました。
もんじゅの建屋直下には8本の破砕帯があり、敷地の西500メートルに長さ約15キロメートルの活断層「白木(しらき)─丹生(にゅう)断層」との運動性や、敷地南東方向の線状地形との関連性などが焦点になっているほか、敷地に近い活断層・白木─丹生断層がもんじゅに与える影響の評価も課題として挙げられています。
昨年7月に規制委の専門家チームが現地調査し、原子力機構に「さらに調査が必要」とデータの拡充を求めました。今年3月末、原子力機構は、活断層を否定する最終報告書を提出しています。
会合では、原子力機構が建屋近くの地表をはぎとる調査などの地質調査結果を説明し、活断層ではないと改めて主張しました。
座長で規制委の石渡明委員は、敷地南の露頭(地表に現れた断層)について、「断層の動きが新しい時代にあったことを否定できない。詳しい調査がどうしても必要になる」と指摘。他の専門家から、「『白木─丹生断層』の評価がされていない。きちんと提示してもらいたい」など、敷地内の破砕帯の形成年代、海岸部の地形などについての原子力機構の説明に疑問が出されました。
(「しんぶん赤旗」2014年12月5日より転載)