関西電力が、稼働から約40年が経過する高浜原発1、2号機(福井県)について、20年程度の運転延長を目指し、特別点検の実施を検討していることが11月13日分かりました。政府が稼働期間が40年程度となる全国7基の原発について、延長か廃炉かの判断を早急に示すよう求める中、運転延長を目指す初のケースとなります。
原発の運転期間は2012年、当時の野田民主党政権が行った原子炉等規制法の改定で原則40年としたうえで、最大20年延長できるように変えられ、老朽原発の酷使が可能となりました。
40年の高浜原発 停止前提に許可・・規制委
原子力規制委員会は11月12日、今月13日に運転開始40年となる関西電力高浜原発1号機(福井県)について、停止を前提に今後10年の維持・運用を認可しました。
稼備後30年以上の原発については10年ごとに機器などの劣化評価や長期保守管理方針の策定を行い、保安規定に反映することが事業者に義務付けられています。関電は昨年(2013年)11月、高浜原発1号機の保安規定変更認可の申請を行いました。
高浜1号機が、40年を超えて運転を延長するには、規制基準への適合を確認した上で、別に特別点検による劣化状況の調査結果などを踏まえて、2016年7月8日までに規制委による認可を受ける必要があります。
原発新設 「大間」20年末を想定・・Jパワー 社長が完成時期説明
電源開発(Jパワー)の北村雅良社長は11月13日午前、青森県大間町議会の原発対策特別委員会に出席し、建設中の大間原発の完成時期について、2020年12月を想定していると説明しました。
北村社長は特別委で、新規制基準への適合性審査の期間は1年程度を見込んでいると表明しました。
北海道函館市は国と同社を相手取り、大間原発の建設差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こしています。北村社長は特別委への出席後、司法判断を待たずに審査申請に踏み切ることについて「(申請の)手順は(裁判と)並行してでも進めないと、物事が動かない」と記者団に語りました。
(「しんぶん赤旗」2014年11月14日より転載)