晴男 何がどうして、「再稼働はやむを得ない」になるんだろう。
秋平 鹿児島県の伊藤祐一郎知事が、九州電力川内原発の再稼働に同意した時の記者会見だろう。
晴男 そうだ。原発30キロ圏の9市町のうち3市の議会が再稼働に慎重、もしくは「地元同意」の範囲に含めるよう求めている。姶良(あいら)市議会では、再稼働に反対し、廃炉を求める決議があがっている。「やむを得ない」事情があるの?
説明会に不信も
秋平 同感だね。今回の再稼働〝同意″をめぐる動きはずいぶん性急だった。
晴男 そうだね。宮沢洋一経産相が「川内(せんだい)原発」を「かわうち原発」と読み間違えていたのが、11月3日のことだった。
秋平 議論が尽くされたとは言いがたい。10月に薩摩川内市など5カ所で県などが開いた説明会でも疑問や不安の声が圧倒的だった。質問が出きっていないのに、途中で打ち切るなど、その対応が住民の不信を買った。
晴男 原子力規制庁の担当者らの回答も「答えになってない」と不評だったよね。説明会の不自然な点をいぶかる住民も多い。
秋平 日本共産党の笠井亮議員が衆院予算委員会で内閣府が5人の職員を県などに派遣していると指摘した。この職員の所属は、電力会社の「やらせ」を〝前科″に持つ、原発推進の部署だった。
推進勢力の横暴
晴男 県議会でいえば、伊藤県知事に再三、原発の再稼働を迫る自民党県議がいた。その県議が大株主で、兄と妻が役員の企業が原発関連の工事を受注していたことも判明した。
秋平 伊藤県知事や自民党、公明党などの再稼働推進勢力の議会での横暴は目に余った。
晴男 わざわざ「再稼働に賛成する陳情」を採択するために、臨時県議会を招集する性急さは異常だった。
秋平 定数51(欠員2)の県議会で、自民と公明は数で押し切った。35議席の自民党は、討論すらせず採決を急ぐのは異常だ。
晴男 〝再稼働ありき″の議会の中で、日本共産党のまつざき真琴県議や井上勝博薩摩川内市議の論戦は、注目を集めたね。
(「しんぶん赤旗」2014年11月11日より転載)