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多核種除去設備 新型ALPSを公開・・福島第1 従来型はトラブル続き & 22日からカバー解体

汚染水からストロンチウムなどの放射性物質を除去する高性能多核種除去設備=10月16日午後、福島県大熊町(代表撮影)
汚染水からストロンチウムなどの放射性物質を除去する高性能多核種除去設備=10月16日午後、福島県大熊町(代表撮影)

 東京電力は10月16日、福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)で高濃度汚染水からトリチウム(3重水素)以外の放射性物質を十分低い濃度まで除去することを目的にした増設・高性能多核種除去設備(ALPS)と放射性ストロンチウムの除去装置、建屋周辺の井戸(サブドレン)からくみ上げた汚染水の浄化装置を報道関係者に公開しました。

 東電は、9月から増設したALPSの一部の試験稼働を開始、高性能ALPSも近く試験稼働を始める予定です。来年3月までに、タンクに貯留している汚染水の全量を処理するとしています。

 

 この日は早朝から雨が降り、肌寒いなか、原発敷地内では、マスクと防護服に身を包んだ作業員がタンク増設の基盤工事などに従事していました。

 増設ALPSの建物は体育館ほどの大きさ。暗いなかに放射性物質を吸着する装置が浮かび上がりました。

 現場公開のあと、同原発の小野明所長は会見で、従来稼働していたALPSでトラブルが相次いでいるのに、「来年3月までに全量処理できるのか」との質問に、「増設、高性能ALPSはこれまでの経験を反映して設置した。大きなトラブルは起きないと思う」と断言しました。

 ALPSをめぐっては、今年に入り、汚染水から炭酸塩を除去するフィルターのパッキンが放射能で劣化することが問題になり、新型フィルターに交換。ところが、9月26日にはその新型フィルターも破損し、炭酸塩が流出しました。東電の担当者は「パッキンに欠陥があったかもしれないが、まだ(原因を)絞り込んでいない」と述べました。

 

22日からカバー解体・・1号機 放射性物質飛散懸念も

 東京電力は10月15日、福島第1原発で1号機原子炉建屋を覆っているカバーの解体作業を22日から始めると発表しました。2016年度上期に作業を終え、建屋内部のがれき撤去を始める方針です。福島県や周辺市町村は、解体に伴う放射性物質の飛散を懸念。『政府・東電に対策や放射線の監視態勢の強化を要請し、協議を続けていました。

 22日から12月初旬までにカバーの屋根に穴を開け、放射性物質を含む粉じんなどの飛散防止剤を内部に散布。屋根の一部を取り外し、中の状況を確認します。

 一方、政府と県は、原発周辺の放射線モニターの監視を強化する方針です。昨夏に始まった3号機のがれき撤去では放射性物質が飛散し、原発施設内で空気中の放射性物質濃度が上昇。周辺市町村ではコメの汚染につながったとの指摘が。

(しんぶん「赤旗」2014年10月17日付けより転載)

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