東京電力は10月8日、福島第1原発で昨年(2013年)8月に約300トンの汚染水漏れが発覚したタンクの近くに設置した井戸1カ所で、地下水から全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり1万4000ベクレル検出され、前回採取した3日と比べ21倍に急上昇し、過去最大となったと発表しました。東電は「台風の大雨によって、地下水に何らかの影響が出たと考える」と話しています。
東電によると、このタンクの近くには地下水観測用の井戸が計13カ所設置されています。別の井戸1カ所でも7日に採取した地下水からベータ線を出す放射性物質が同9万5000ベクレル検出され、濃度は前回5日の130倍以上に急上昇しました。
8日に放射性物質濃度の上昇が確認された井戸は、汚染水増加抑制策として海に放出する地下水バイパスのくみ上げ用井戸からも近いところにあります。
(「しんぶん赤旗」2014年10月10日より転載)