九州電力は10月8日、川内原発(鹿児島県)再稼働の前提となる規制基準の適合性審査で、1号機の「工事計画認可」と「保安規定変更認可」の補正申請書を全て原子力規制委員会に提出しました。
保安規定には事故時の対応手順や体制などが定められています。焦点となっている火山対策では、影響の大きい巨大噴火発生の恐れがあると九電が判断した場合、専門家らの評価を経た上で、社長が原子炉の停止などを決定。核燃料の搬出なども検討しますが、移送先は未定といいます。
川内原発のある九州南部には過去に巨大噴火を起こした火山が複数あり、専門家からは噴火を予知するのは困難との指摘が出ています。
九電はまた、2号機についても10月中に補正申請書を規制委に提出する考えを示しました。
SPEEDI防護判断には規制委使わず
原子力規制委員会は10月8日、原子力災害時に避難や一時移転などの防護措置の判断にSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の計算結果を使用しないとする方針を決定しました。
規制委は、SPEEDIの計算結果に基づいて防護措置の判断を行うことは、不確かさを排除できないため「被ばくのリスクを高めかねない」と説明しています。原子力災害対策指針では、施設の状況に応じた予防的防護措置を実施するほか、放射性物質放出後の避難や一時移転などの防護措置は、緊急時モニタリングの実測値に基づいて判断することになっています。
規制庁は、防護措置の判断以外にSPEEDIの計算結果を活用する方法を明確化していくと説明。今後、原子力災害対策指針などの記載の改訂を行うとしています。
(「しんぶん赤旗」2014年10月9日より転載)