東京電力は9月26日、福島第1原発の多核種除去設備「アルプス」3系統のうちの1系統でフィルターが不具合となったため、運転を停止したと発表しました。
今回不具合となったフィルターは改良型で、改良型フィルターが不具合を起こしたのは初めてです。
アルプスは放射能汚染水から62種の放射性物質を除去して、国の濃度限度以下にすることを目的とした設備で、汚染水対策の「切り札」とされています。しかし、3月以後、汚染水を前処理した後の水が白濁し、処理性能が大幅に低下する異常が頻発しました。フィルターの部品の欠損が原因だとして、東電は改良型への交換を行っています。東電によると、今回不具合となったフィルターは、A、B、C3系統のうちB系統のフィルターで、処理した汚染水の分析でカルシウム濃度が高くなっていることを確認しました。現場調査を行った結果、フィルターを通ったばかりの汚染水が白濁し、フィルタから炭酸塩が流出していることがわかったといいます。
B系統はフィルターの不具合で3月18日に停止、改良型のフィルターに交換し、5月23日に運転を再開していました。東電によると、A系統は現在運転を継続していますが、C系統はフィルターを改良型に交換するため、9月21日から停止しています。稼働しているのは1系統のみとなりました。
(「しんぶん赤旗」2014年9月27日より転載)