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最新装置義務づけ「視野の外」・・規制委 委員長代理、原発存続の規制基準

Schema des Core-Catchers bei einem EPR. (wikipediaより)
Schema des Core-Catchers bei einem EPR.
(wikipediaより=アレバ社)

 原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長代理は9月24日、規制委が昨年(2013年)7月に制定した原発の規制規準において、欧州などで採用されているコアキャッチアーを規制要求としなかったことに関して、「コアキャッチャーを要求するというのは、新設を要求することになりますので、そもそも基準策定の時点から視野の外であった」と発言しました。既設原発にコアキャッチャーを取り付けることが難しいため、規制要求として初めから検討対象としていなかったことを明言したものです。

 コアキャッチャーは、原発事故の際、溶融燃料を受け止めて冷却を継続し、格納容器の損傷を防止する装置。フランスや中国の新型原子炉で採用されています。

 これまで規制委は、規制基準は「性能要求」であり、要求する性能を満たせれば対策方法は事業者が選択すると説明。コアキャッチャーについて「付けてくるという申請が来れば、それはそれなりの申請審査をすることになる」(田中俊一委 員長)と説明していました。

 更田氏は、既設原発にコアキャッチャーを付けることに関して「事実上不可能」と明言。さらに申請が出てきた場合、「それを新設ととるべきか、既設ととるべきかとなったときに、これは新設ととらざるを得なくて、ある意味視野の外の話」などと話しました。

 更田氏の発言は、規制基準が、既設原発を存続させるための基準でしかなく、「世界最高水準」と言えないことを改めて示しています。

(「しんぶん赤旗」2014年9月26日より転載)

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