研究者・有識者60人を結集し原発ゼロ社会をめざす政策提言を行ってきた原子力市民委員会(座長・舩橋晴俊法政大教授)は9日、東京都内で記者会見を開き、原子力規制委員会の審査が大詰めを迎えている九州電力川内原発(鹿児島県)について、再稼働を無期限で凍結するよう求める見解を発表しました。
安全対策の欠陥指摘
見解は、同原発の周辺火山の噴火の影響が慎重に評価されていないなど安全対策の欠陥を指摘、規制委員会の審査を「形式的」と指摘しました。会見では、重大事故発生時の避難計画を政府・規制委員会がチェックする仕組みがないこと、県の避難計画には風向きによる放射性物質の拡散の想定がなく風下への避難となる可能性が高いこと、病院・福祉施設の計画が策定されていないことなど問題点をあげました。
安倍晋三首相が規制委の規制基準を「世界最高水準」といい審査に通った原発の再稼働を明言していることに、舩橋座長は「(日本の原発は)欧州の最新炉と比べ安全設備は劣っている。世界最高というのは無知か、うそだ」と批判しました。
原子力市民委員会のメンバーは見解を政府審議会でも普及するとしています。
(「しんぶん赤旗」2014年7月10日より転載)