福島県浪江町の住民約1万5000人が東京電力福島第1原発事故の慰謝料増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センターが提示した和解案を東電が拒否したことが6月26日、分かりました。和解案は全申立人の増額を盛り込んでいましたが、東電は75歳以上の傷病者に限り、現行月10万円の精神的慰謝料を月2万円増額すると文書で回答したといいます。
浪江町ADRをめぐっては、同センターが3月、全申立人を対象に精神的慰謝料を月15万円に増やすほか、75歳以上に対しては、さらに3万円上乗せするという和解案を浪江町と東電に提示。町側は既に受諾すると同センターに回答していました。
町側弁護団は「一部受諾という形式をとっているものの、実質は増額の拒否にほかならない」と批判。馬場有町長は「被害者の痛みを全く理解していない」などとコメントしました。
(「しんぶん赤旗」2014年6月27日より転載)