全国から123人が応援
福井県民主医療機関連合会は福井豪雨の被災者へのボランティア活動に取り組んでいます。十九日に豪雨災害対策本部を設置。二十二日までに東海北陸信越地方を中心に全国の民医連からかけつけたのべ百二十三人のボランティアの協力を得て活動しています。
福井市の最高気温が三〇度を超え強い日差しとなった二十二日、道路の泥が乾き、防じん用のマスクをした人やタオルで口元を覆う人の姿が目立ちました。住宅地ではホースを使い家の掃除をする姿がみられました。
喜んで応援に
足羽(あすわ)川堤防の決壊地から五、六百メートルの、みのり地区では、石川県から駆けつけた三人が、住宅の側溝にたまった泥をシャベルでかき出し袋に詰めていました。
その一人、石川民医連・城北病院の看護師・喜多秀憲さん(27)=金沢市=は「隣の県でニュースを見ていて、何もできない自分がつらかった。応援に来ることができ喜んでいます」。小柄ですが、柔道で鍛えた体で作業ははかどります。
決壊地から三百メートルの西木田地区には富山や三重から駆けつけた民医連職員の姿も
噴き出る汗も
「百姓で培った体ですから、泥はこびは自信があります」とは、富山市から来た、ふれあい薬局事務職の吉田修さん(53)です。額から噴き出す汗がほおをつたい、あごからしたたり落ちるのもかまわず、家具を運び出し、床板をはがす作業を黙々とこなします。
ボランティアの支援を受けたのは、一人暮らしの女性(79)。ボランティアが入るまで、一人で家にたまった泥の掃除をしていました。豪雨の十八日夜は、電気の復旧を求め、はだしで街を歩き回りましたが、誰も取り合ってくれませんでした。「あの時は、怖さも忘れて腹が立ちました。みんなの顔を見たら、今になって涙が出てきた。ありがとうございました」
朝五時に三重県桑名市を出てきた桑名医療生協事務職の男性(31)は、阪神大震災で神戸に四回足を運び三週間ボランティア活動をしました。女性の言葉に「逆に励まされ、勇気づけられた」と話していました。
東海・北陸信越総局 唐沢俊治記者