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「お金より命」認めてくれた」・・傍聴席 歓声と涙/原告団が勝利集会

大飯原発差し止め訴訟の勝利集会=5月21日、福井市(写真=山本雅彦)
大飯原発差し止め訴訟の勝利集会=5月21日、福井市(写真=山本雅彦)

「大飯原発3号機、4号機の原子炉を運転してはならない」。5月21日の福井地裁で行われた関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟判決で、冒頭、樋口英明裁判長が主文を読み上げると、傍聴席から拍手と歓声が起こりました。
(柴田善太)

原告団が勝利集会

原発が集中立地する嶺南地域に住む岡山巧さん(51)は「うっ」と声をもらし眼鏡をとって涙をぬぐいました。原発依存が強い福井でためらいがあったものの、おかしいことはおかしいと言おうと、原告に加わりました。「日本の司法ここにあり。お金より命だということを認めてくれた」と話しました。

判決は、関電側の原発の低コスト論や国富確保につながるという主張を「極めて多数の人の生存そのものにかかわる権利と、電気代の高い低いの問題を並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否の判断をすること自体、法的には許されない」と退け「豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富。これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失」と強調しています。

原告団は判決後、勝利集会を開き、中嶌哲演原告団長は「45年たたかってきたことをきっちり認めてもらえた。この判決を力に原発ゼロ社会をめざしたい」と話しました。

日本科学者会議福井県支部で原告の山本雅彦さんは、「1995年の兵庫県南部地震の時から地震の危険の過小評価を指摘してきた。国も県も受け入れなかったが、司法の判断で認められた。これは運動の成果で、今後も頑張る」と話しました。

首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさんも参加。「毎週、国会前行動で訴えてきたことが判決に盛り込まれた。本当に感動した。司法の良心を感じた」と話しました。

集会では関電が法廷に姿も見せず、即時控訴の動きに批判が相次ぎました。

日本共産党の猿橋巧・おおい町議は「原発立地町でたたかってきたことが実った。感動で言葉が出ない。この判決は全国に影響を与える」と喜びを表しました。

関電控訴へ

関西電力は5月21日、大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた福井地裁判決について「当社の主張が理解いただけなかったことは誠に遺憾。判決文の詳細を確認の上、速やかに控訴の手続きを行う」とするコメントを発表しました。

規制委委員長・・「従来通り審査」

関西電力大飯原発3、4号機の再稼働差し止めを命じた福井地裁判決について、原子力規制委員会の田中俊一委員長は21日、「司法判断に申し上げることはない。大飯は従来通り、われわれの考え方で(新規制基準への)適合性審査をする」と定例記者会見で述べました。

規制委は昨年(2013年)7月に原発の新規制基準が施行される前、全国で唯一運転中だった大飯3、4号機について同9月の定期検査入りまで運転継続を容認していました。

(「しんぶん赤旗」2014年5月22日より転載)

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