東京電力福島第1原発で放射性物質に汚染された地下水が海へ流出している問題で、東電は5月12日、海側にある測定用井戸など2カ所で7日に採取した地下水のトリチウム(3重水素)濃度が過去最高値を更新したと発表しました。4月下旬以降、特に2〜4号機海側を中心に放射性物質濃度が過去最高値を記録した場所は10カ月を超えました。
東電によると、3号機海側で7日に採取した地下水から1リットル当たり8000ベクレルのトリチウムが検出されました。この井戸でこれまでの最高値は4月30日の同2600ベクレルで、3倍超になりました。2、3号機間にある地下水くみ上げポイントで7日に採取された水の濃度も同5500ベクレルで、これまでの最高値同5200ベクレルを上回りました。
この2カ所以外でも、4月下旬以降、採取された水でトリチウム濃度が最高値だった井戸が2カ所あるほか、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)の濃度で最高値を記録した井戸は8カ所に上ります。
それぞれの井戸によって最高値はばらつきがあるものの、2号機海側の井戸で8日に採取された地下水で同86万ベクレルの全ベータが検出されるなど、極めて高濃度なケースもあります。
(「しんぶん赤旗」2014年5月14日より転載。図と加筆は、山本雅彦)