東京電力は5月7日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の南側にあるG6エリアと呼ばれる場所に設置を進めているタンクに地下貯水槽の放射能汚染水を移送する計画について、汚染水をタンクに入れると、周辺の放射線量が高くなり、敷地境界での年間の最大被ばく線量が7・8ミリシーベルトになると発表しました。
放射能汚染水を貯蔵していた地下貯水槽で4月に水漏れが起きたため、東電は、ためていた水をすべて地上のタンクに移送するとしていました。G6タンクは、移送先として新設するタンクで、1万9000トン分を5月下旬に完成させる計画です。
このタンクには3号貯水槽、6号貯水槽の杓1万5900トンを移送する予定ですが、水を移送すると、周辺の放射線量に影響を与え、敷地境界で最も影響の高いところでは年間の被ばく線量が、2011年に、政府が事故を「収束」と判断する基準とした年間敷地境界線量1ミリシーベルトを大きく上回る7・8ミリシーベルトになることが分かったとしています。
東電は、「収束」後にまとめた、廃炉に向けた「中長期計画」で敷地境界での年間の被ばく線量の低減を図るとしてきました。今回の発表は、福島第1原発の現状が「収束」とは程遠い状況であることを改めて示しています。