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“福島に生きる” 行動の原点は国民主権・・原発即時ゼロ署名集める 和合周一さん(73)

「廃炉にさせるまで原発ゼロを訴える」と話す和合さん
「廃炉にさせるまで原発ゼロを訴える」と話す和合さん

 福島市山口に住む和合周一(わごう・しゅういち)さん(73)宅の放射線量は、東京電力福島第1原発事故のあった翌年に測定したところ毎時4マイクロシーベルトもありました。

生存権の問題

和合さんが住む地区は、局地的に放射線量の高いホットスポットなのです。福島市内でも線量が高い渡利地区や大波地区に接していることから、マスコミに取り上げられることはなかったものの高い線量です。

 「生存権が脅かされている」。高齢の両親と暮らす和合さんは直感しました。

 わずかに戦争体験のある世代の和合さん、B29(当時のアメリカ軍の主力爆撃機)が渡利地区に広島型原爆の模擬爆弾を投下し、犠牲者が出たこと。白壁の自宅を「目立つ」といわれて墨を塗ったこと─。「子どものころに命が脅かされた、ざわついた予感が、同じように身に迫っている」と感じました。

 原発再稼働の動きと、集団的自衛権行使を容認させようとする安倍内閣の暴走。「子孫に禍根を残すことになる」と思いました。

 1974年4月、福島県沿岸部への原発建設の是非が問われたとき、和合さんには明確な反対の意思があったわけではありませんでした。いま、身近に迫った放射能の脅威に直面して「原発ノー」を叫ばないと─。強く意識しました。

 そんな思いでいた和合さんにとって、収束宣言の撤回、原発即時ゼロ、子ども・いのち・くらしを守ることを求める署名活動は、みずからの要求にピッタリでした。

署名協力広く

 「福島山の会ピスタリー(ネパール語でゆったり、ゆっくり)」「福島オペラ研究会」「文化の館・福島クリエーションセンター」などの会員を務める和合さん。署名簿をもって協力をお願いしました。

 多くは歓迎されて署名を集めてくれました。説明の必要な点は「即時ゼロで大丈夫なの」という疑問でした。「現に原発がなくても電気は足りていること、再生可能な自然エネルギーに転換すれば安全でクリーンなエネルギーが確保されることなど話すと協力は広がる」と言います。

 福島医療生活協同組合の支部長でもある和合さん。放射能についての学習会を開き、「正しく恐れる」ことを学びました。線量計を持って生協会員宅をまわり線量を測りました。「高い放射線量を計測したときは『ただちに避難しなければ』と思いましたが、高齢の親を抱えてそれもままならない。除染の徹底などで線量を軽減させることで乗り越えられる」と福島にとどまりました。

 「政府の新エネルギー基本計画で原発がベースロード電源と位置づけられ、原発再稼働や原発輸出など、とっても危機感があります。ここまでくるとは思いもよらなかった。原発ゼロを求める署名はこれまで500人分は集まりました。1000人をめざします。私の行動の原点は国民主権の憲法の精神。廃炉にするまでたたかいます」
(菅野尚夫)

(しんぶん赤旗2014年5月9日付け “福島に生きる”より転載)

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