放射性物質を施設外へ漏出させた大強度陽子加速器実験施設「J−PARC」(茨城県東海村)を共同で運営する日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構は5月31日、法律に基づく第1次報告書を原子力規制委員会に提出しました。
加速器研究機構の住吉孝行理事、原子力機構の横溝英明理事が規制庁を訪問。住吉氏は「原因究明と再発防止が確立されない限り、施設の運転は考えられない」と述べました。
また、加速器などに詳しい外部の専門家などによる第三者委員会を立ち上げ、事故の検証を行うとしました。
報告書は、陽子ビーム取り出し装置の誤作動によるとした事故の経過などを記載。室内で放射線のモニターの指示値が通常の10倍に上昇した際、上昇原因について電話で協議し、排気ファンを運転したなどとしています。
実験施設内で放射線量が下がるまで立ち入ることができない場所があるため、原因分析などに踏み込んだ報告書を提出するには時間がかかるといいます。
今回の事故で実験施設に出入りした102人のうち、100人について調査した結果、34人が最大1・7ミリシーベルト被ばくしていたことがわかっています。