「原発ゼロへ、圧倒的な市民の声をたたきつけよう」と、「6・2NO NUKES DAY(ノーニュークスデイ)」の諸行動が6月2日、東京の明治公園、芝公園23号地、国会前で行われました。原発をなくす全国連絡会、「さようなら原発一千万署名」市民の会(1000万人アクション)、首都圏反原発連合(反原連)による共同行動です。三つのグループが合流して国会前に集まった6万(反原連発表)の人びとは、「原発ゼロ」を求める民意に逆らって原発の再稼働・輸出を推進する安倍晋三内閣に、「原発いらない」「再稼働反対」の声を突きつけました。
「原発反対の運動をしている全国の青年と交流できて、めちゃよかった。元気をもらった」というのは、札幌市から参加した女性(22)。妻と娘、息子の4人で青森県から参加した男性(32)は「原発反対の声をもっともっと広げたい」といいます。
明治公園で開かれた全国連絡会の「原発ゼロをめざす中央集会」には1万8000人が参加。ミサオ・レッドウルフさん、1000万人アクションの富山洋子さん(日本消費者連盟)が連帯あいさつしました。
被災地・福島県から参加した熊谷智さん(33)は「安倍政権はあくまで再稼働や輸出に進んでいます。私たちが味わったあの恐怖は原発のせいじゃないかと、怒り心頭です」と訴え、「収束宣言ただちに撤回」「危険な原発今すぐなくそう」と会場と一体になり唱和しました。最後に、金曜官邸前抗議行動でおなじみの千葉麗子さんがドラム隊のリズムにのって「原発いらない」「いますぐ廃炉」「再稼働反対」「福島かえせ」とコールしました。
芝公園で開かれた「つながろうフクシマ! さようなら原発集会」では、作家の大江健三郎さんや落合恵子さん、ルポライターの鎌田慧(さとし)さんらが発言。大江さんは「次の世代が生き延びうる世界を残したい」とのべました。
夕方、国会前で開かれた反原連の「反原発☆国会大包囲」行動には、「中央集会」、「さようなら原発集会」の参加者も続々と合流。「国会議事堂がいま全包囲されています」とのアナウンスに、参加者は歓声をあげました。
国会前大集会では各党の国会議員や著名人、原発立地県の人びとがスピーチしました。
反原連のミサオさんは「参院選で、これ以上原発推進派の政党に議席をとらせません。一日も早く原発ゼロを政府にいわせるため、力をあわせましょう」と呼びかけました。
福岡県から明治公園のデモに参加した看護師の女性(23)は「人の命を助ける仕事をしている人間として、命を脅かす原発をなくして、希望をつくりたいんです」と話します。
沿道から飛び入りでデモに参加した東京都大田区の男性(33)は「集会には参加できなかったので、デモが通るのを待ち構えていました。力をあわせて、原発ゼロを政府に決断させたい」と語りました。
だから来た・・「再稼働反対・原発ゼロ」共同行動 伝えたい、広げたい
集会、デモ・パレード、国会大包囲-。6月2日、東京都内でとりくまれた「再稼働反対、原発ゼロ」の共同行動。全国各地から集まった参加者の思いを聞きました。
政治変えたい・・1年前から声を上げ始めた看護師の前川千晶さん(42)=盛岡市=
16万もの福島の人が東電・福島第1原発事故で、いまだに自宅に戻れずに苦しんでいます。それなのに、安倍政権は、「世界一安全だ」と海外に原発を輸出しようとしています。許せません。きょう集まった人たちの思いを地元に戻って仲間に伝えたい。悪い政治を変えるためにたたかっていきたいです。
安全ありえん・・福島県郡山市で18歳まで過ごした小田喜代八さん(69)
震災後、いま住んでいる千葉県市川市から郡山に何度も訪ねました。線量はまだまだ高いなか郡山では、いとことおばが暮らしています。安全な原発などありえない。プラカードのゴジラの「怒ってまた出てきたぞ」は私の思いです。
英知の結集で・・群馬県桐生市から参加した小辻明さん(65)
原発を子や孫の世代に残したくないという思いで参加しました。「世界一安全」と言って原発を海外に売り込む安倍政権に怒りを感じます。事故は収束していないのに、再稼働などもってのほかだと思います。英知を結集して、自然エネルギー中心に政策を転換すべきです。
「輸出」に怒り・・官邸前抗議行動に毎週参加している埼玉県飯能市の西久保昌弘さん(42)
原発事故による放射能のせいで故郷に帰れなくなった人もいます。事故が収束していない状況で、原発を輸出しようとしている政府に怒りを感じます。日本で新たな原発をつくれないから海外で、というのは許せません。原発ゼロをアピールしていきたい。
安全できることを・・8歳と3歳の子どもと参加した佐藤ふきさん(39)=東京都板橋区=
東電の福島第1原発事故が起こるまでは、原発の怖さをぼんやりと感じることはあっても、国内に54基あることさえ知らずにいました。いまは、人間が絶対にコントロールできないものをつくり出してしまった恐ろしさでいっぱいです。事故を受けて原発をどうするのか考えるのも人間です。私ができることは少ないけど原発をなくすためにできることをしていきたい。
4人そろって・・山梨から来た看護師、市川絵理さん(22)、石川綾夏さん(23)、鈴木美貴さん(24)、源平加奈さん(25)
市川さん 福島の人たちは今でも被害を受けています。首相にも自分のこととして考えてほしい。原発がない方が日本は安全な国になります。
石川さん みんなの平和をちゃんと考えた政治をしてほしい。再稼働しないで。
鈴木さん 今度また事故が起きたら日本に住めなくなってしまう。アベノミクスとか言ってる場合じゃないですよ。
源平さん 再稼働することは、同じ失敗を繰り返すということ。ここで止めなければいけない。原発反対の声を上げ続けていきたいです。
水がめ汚すな・・滋賀県大津市の団体職員、山元大造さん(35)
自宅がある京都は高浜原発(福井県)のすぐそばです。子どもの頃から事故が起きたら大変なことになると聞かされていました。若狭湾には原発が集中しています。琵琶湖は近くにあります。事故になれば、1400万人の水がめが汚染されてしまいます。福島や多くの人たちと連帯して原発をなくしたい。
共存できない・・和歌山市から参加した岸裏一起さん(56)
原発を一刻も早くなくしたいという思いで参加しました。原発は人類と共存できない危険なもの。将来のことを考えたら、なくすしかありません。原発ゼロは国民に対する政府の責任だと思います。全国の人々と一緒に声を上げていきたい。
マジでいらん・・仲間と大阪市住之江区から参加した栄裕矢さん(19)
ボランティア活動で福島県に行ったとき、原発の恐ろしさを知った。政府が収束宣言を撤回していないのはおかしいと思う。原発事故の被害は放射能による汚染だけじゃない。人々の心まで引き裂いてしまう。事故が起きたら、今の科学の力ではどうにもならないし、原発マジでいらん!
目の当たりに・・南大阪医療生協職員の岸田克也さん(25)
福島にボランティアに行ったとき、被災者の命が大切にされない政治を目の当たりにしました。原発事故さえなかったらもっと復興できたのでは、と思います。自分が使う電気に大飯原発から来るものがあると思うと、電気を使うたびにもどかしい。再稼働の企てはやめてほしいです。
初めてデモに・・神戸市から来た大学生、長谷川晃士さん(19)と、本村拓さん(18)
長谷川さん 福島にボランティアに行き、お金よりも命だろって思いました。未来に原発を残さないことが、子どもたちに安全な世界を残し、大切な人を守ることにつながると、確信を持って言えます。
本村さん 初めてのデモです。たくさん人がいるのにびっくりしました。以前は、原発は必要悪だと思っていましたが、福島にボランティアに行き、もう必要ないと思いました。被災地のことを自分たちのこととして、行動していきたいです。