集中豪雨の被害を受けた福井県で、福井県立大学の学生、教職員のべ約二百人が七月三十一日、八月一日の両日、大型バス二台を使って被災地の救援ボランティアをおこないました。参加した学生は全学約千六百人の一割近くにも。取り組みの発端は学生有志の行動でした。
東海北陸信越総局 青野 圭記者
豪雨災害
発生から二週間たっても豪雨のつめ跡が生々しい福井市一乗地区。
大型バス二台で救援にきた学生・教職員がドロや土石流の後始末に汗を流しました。
福井県立大学経済学部四年、金元友さん(21)もその一人。「短期間に学年学科を超えてこんなに集まるなんて。正直、すごいというか、うれしかった」と語ります。
「最初は友達の安否確認のつもりでした。でも、現場を見たら、本当にひどかったので…」と初めて救援ボランティアに取り組んだ金元さん。七月二十日から豪雨被害の大きかった地域を連日のように訪ね歩きました。
被災者に感謝されるのも初めての体験でした。「自分も役立たなければと思ったし、今動かなかったら、動くときないんじゃないかって」
予想外の関心
ボランティアを始める前日の十九日深夜、知り合い四十三人にメールを送りました。文面は「明日からボランティアをしようと思います。参加してくれる人を探しています。少しでも協力が可能ならば連絡をください」。十人以上から返信があり、数人から電話も。予想外の関心の高さでした。
二十七日、一週間ぶりに大学に行きました。
「ボランティアにはいけないので募金集めをしたい」という友人ら四人で救援募金を呼びかけました。「毎日、募金の呼びかけをするのは難しいと思っていたら、次の日は、都合の悪いボクら四人に代わって、別の六人が訴えてくれた。二十九日には助教授まで協力してくれた」
「学長にボランティアの報告をしよう。募金してくれるかも」と考えた金元さん。二十六日に、一人で総務課にいって「軽い気持ち」で祖田修学長との面会を申し込み、二十八日、五分間でしたが、面会できました。
学長室のソファで祖田学長と一対一で向かい合い、一週間の救援ボランティアで見たことを伝え、「教務課前に募金箱を設置しているので、よかったら協力してください」と訴えました。
もっと学生に
「もっと学生にボランティアを呼びかけられないかなあ」(学長)、「あ、はぁ…」(金元さん)。救援ボランティアを呼びかける張り紙や被災現場の写真を、よく目立つ食堂前に出すことが決まりました。
その後、総務課に友人が求めた「大学からバスを出してください」も実現。ボランティア用のマスクや軍手、長靴の購入に学友会(自治会)費から支出することも決まりました。
金元さんたちの確信になる出来事でした。
「七月三十日まで前期のテスト期間中で、みんなすごく忙しかったんです。それでもこれだけの学生がボランティアに参加してくれた。救援が学生自身の要求だったんだと痛感しています。最初に大学と“交渉”したのはほんの数人の学生でしたが、みんなの思いを代弁すれば、これだけのことができるんですね」