福井県での豪雨災害で25日現在、死亡者3人行方不明者2人、床上・床下浸水1万4,169棟に及ぶなど、深刻な被害が広がっています。ボランティアのみなさんの献身的な救援活動は、被災者をはげましていますが、「早く個人への公的な援助を」と求める切実な声もあがっています。
福井の水害被害状況(7月25日現在)
死者(行方不明) | 床上・床下浸水 | 家屋の全壊(半壊) | 避難所生活の人 |
3(2)人 | 1万4,169棟 | 69(140) | 3市町で229人 |
■生活と営業で区別せず一律に援助できないものか
福井県今立町で精肉・冷凍野菜・卸業を営む成田位智朗(51)、泉枝(51)夫妻は近くの服間川のはんらんで1.5メートルの高さまで水につかり、大型冷凍庫や軽トラックを流されました。
肉を切るスライサーからパソコンなど機械類だけで被害額は1,500万円以上に。「在庫や肉製品も全部だめ。3日後にはすごいにおいになり、後かたづけも大変でした」。二トントラック17台分がこみになりました。
「20年間の努力が30分でパーになった。行政に援助を求めてはいけないのでしょうか」と位智朗さん。被災者生活再建支援法は、住宅の損害状況に応じて百万円から三百万円が支給されますが、営業被害などへの補償はありません。「生活と営業で区別せず一律に援助できないものか。勇気づける施策がほしい」と訴えます。
福井県池田町で鉄工所を経営する村内光晴社長(36)は、「行政はここまで冷淡なのか、信じられない思い」といいます。
数値制御の工作機械すべてが水につかりました。行政による被害調査もなし。被害予想額は機械だけで三千万以上。「社員を抱え、会社をつぶすわけにはいかない。現状では融資を受けても返せない。死ぬしかないのか。行政とは何なのでしょうか」