山口県上関(かみのせき)町への中国電力の原発建設計画をめぐり、建設反対の住民46人が6月11日、中国電から申請された建設予定地の公有水面埋め立て免許延長の可否判断を山本繁太郎知事が先送りしたのは「不作為」にあたるとし、県監査委員に住民監査請求をしました。
監査請求したのは、上関原発を建てさせない祝島(いわいしま)島民の会など反原発団体や労働組合、民主団体の代表、児童文学作家の那須正幹さん、大学教授らです。
請求書は、公有水面許可申請の審査に通常要する合理的期間を超えたにもかかわらず、山本知事が許否の判断を下さなかったことは行政手続法や地方自治法などに違反していると指摘。知事に遅延期間中の審査に伴う人件費などを県に返還するよう求めています。
さらに埋め立て免許は法的に失効しているとし、埋め立て予定地に設置しているブイの撤去など、原状回復を中国電に求めています。
祝島島民の会の清水敏保代表は記者会見で「山本知事は昨年(2012年)の知事選で『免許の延長は認めない』と公約していた。判断の先送りは公約違反であり許せない」と話しました。
監査請求弁護団の田川章次弁護士は、請求が却下・棄却された場合には住民訴訟を起こしたいとのべました。
地上タンクへの汚染水移送完了・・福島第1
東京電力福島第1原発の地下貯水槽から放射能汚染水が漏れた間題で、東電は6月9日、地上タンクへの汚染水移送が完了したと発表しました。移送した水量は計約2万4000トン。
東電は4月5日、2号貯水槽で汚染水が漏れた可能性があると発表しました。その後、1、2号貯水槽での漏出が確認され、3号貯水槽でも漏出の可能性があると発表。同16日から地上タンクへの移送を開始していました。