佐賀、福岡、長崎3県は4月30日、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で重大事故が起きた場合、住民の避難に必要な時間の推計を公表しました。標準的なケースでは、原発30キロ圏外への避難が完了するまで24時間50分かかると予測しました。
推計は、事故が起きた場合すぐに避難する原発5キロ圏内の区域(PAZ)と、事故に備え避難対策が必要な5〜30キロ圏内の区域(UPZ)の住民ら計約27万人が対象。自家用車で避難すると想定し、区域ごとに段階的に避難するケースなど52例を示しました。
標準ケースは、自家用車の利用率が100%で、要支援者の避難が一般住民より早く避難、UPZの住民の4割が指示を受ける前に自分で避難した場合などを想定。最初に5キロ圏内の住民が避難を始め、UPZの残り6割が続いた場合、完了まで24時間50分かかりました。また、30キロ圏に入る長崎県の壱岐島にある壱岐市の全住民約3万人が福岡県に避難を完了するには最長5日半かかるとしています。
両区域を合わせた30キロ圏内の全員が一斉に避難を始めると、5キロ圏内の住民の避難には19時間20分かかり、30キロ圏内の住民避難には22時間30分かかるとし、段階的に避難すれば避難を完了する時間が短くなるといいます。