【ティンプー=時事】インド原子力規制委員会は7月12日までに、南部タミルナド州にあるクダンクラム原子力発電所の稼働を許可しました。当初の予定から約6年、運転開始が延期され続けてきた原発ですが、数日中に運転が始まる可能性が高まりました。しかし、環境や生活への影響を懸念する住民や活動家から強い反発を受けるのは必至です。
地元政治家は時事通信の取材に、加圧水型のクダンクラム原発1号機(1000メガワット)の稼働に関し、規制委から報告を受けたことを認めました。一方、運転開始日時については「まだ聞いていない」としつつも、「早ければ2、3日中に始まるだろう」と語りました。
1号機は07年12月の稼働開始が予定されていましたが、住民や活動家の激しい反対運動に遭った上、安全面での欠陥が指摘されるなどして延期されました。
東京電力福島第1原発の事故を受け、インド国内で反原発運動がさらに広がる中での稼働許可。市民団体代表のウダイ・クマル氏は「絶対に稼働を許さない。政府は住民の意見を無視して強圧的に原子力政策を進めるべきではない」と語りました。