東京電力は7月26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)3号機原子炉建屋5階中央付近から断続的に湯気らしいものが見えていた問題で、原子炉内の水蒸気が漏れている可能性があると発表しました。東電は、雨水が原子炉の熱で温められて湯気が発生していると説明してきました。福島第1原発事故の深刻さを改めて示しています。
福島第1原発1~3号機では、放射線による水の分解で発生する水素ガスによる爆発を防ぐため、原子炉内に窒素ガスを注入して、水素を追い出しています。
3号機では、毎時16立方メートルの窒素を注入していますが、湯気の発生原因を調べるため詳細に検討した結果、排出される窒素は同13立方メートルであることから、その差の3立方メートルの水蒸気を多く含んだ気体が原子炉から漏れている可能性があることがわかったとしています。漏れた水蒸気などが外の冷たい空気と触れたために、湯気のように見えていたと推定しています。
東電は、原子炉への窒素ガスの注入量と排出量に差があることは湯気らしいものを確認した18日以前から把握していたといいます。しかし、それを関連付けたのは、18日から1週間以上後でした。
東電は、原子炉内から漏れた気体にどのような放射性物質が含まれているかは分からないとしています。