東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で地下水が広範囲に汚染され海に流出している問題で、原子力規制委員会は8月2日、汚染水対策検討会の初会合を開き、護岸より手前で早急に地下水をくみ上げるよう、東電に求めました。
東電は今月8日から、護岸の土に薬液を注入して、地中に遮水壁を造る地盤改良工事をしています。しかし、建屋側から流れてきた汚染した地下水が壁にせき止められ、地下水の水位が1メートルも高くなっています。すでに地表から深さ1・8メートルまでのところにある壁の上端を超えています。
東電は今後も遮水壁を複数設置する工事を続ける計画を示しましたが、規制委の更田(ふけた)豊志委員は「地下水が壁を越えて海に向かっている可能性がある。地下水のくみ上げを急ぐしかない」と述べました。
東電は、「くみ上げ用のポンプの設置を前倒しできる可能性はある。最大限、加速したい」と笞えました。遮水壁を設置した場所に流入している地下水は1日当たり100トン。海への流出を防ぐにはそれを上回る量の地下水をくみ上げる必要があります。
東電は、くみ上げた後の処理などは検討中だとしていますが、地下水には高濃度の放射性物質が含まれており、十分な対策が求められています。