東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷容疑などの告発を受理し、捜査している東京、福島両地検が、当時の東電幹部や政府関係者ら告発対象者を、不起訴処分とする方針を固めたことが8月9日、関係者への取材で分かりました。最大15メートル超としていた事故前の津波予測の試算には根拠が乏しく、東電の津波対策の過失を立証するのは困難と判断したとみられます。早ければ8月中にも処分を出す見通し。
告発されているのは、東電の勝俣恒久前会長や清水正孝元社長のほか、菅直人元首相や旧原子力安全委員会の班目春樹元委員長ら。管元首相には事故後の対応について説明を求めており、元首相側は書面を提出し、容疑を否認する方針。
検察が不起訴処分とした場合、告発した市民団体は検察審査会に審査を申し立てる意向で、元幹部らが強制起訴される可能性は残ります。