首都圏反原発連合(反原連)は8月16日、「原発なくせ」「再稼働反対」を訴える首相官邸前抗議をおこないました。福島第1原発では放射能汚染水が海に流出する危機的事態が続いています。原発推進の安倍晋三内閣に、3000人(主催者発表)の参加者が、抗議の声をあげました。
反原連のミサオ・レッドウルフさんが官邸に向かって「安倍首相、事故は収束していないと国民に表明してください。9月15日に大飯原発がとまったあと、私たちが絶対に1基たりとも再稼働させません」と訴えると、「そうだ!」の声があがりました。
小学2年生の娘を連れて初参加した埼玉県宮代町の女性(41)は「放射能の流出は恐ろしい。魚を食べるのも心配です。それなのに再稼働とは許せない。この行動を、原発をなくすまで続けることが大事だと思う」と話します。
東京都板橋区の男性は、半年ぶりに行動に参加。安倍政権がすすめる再稼働に危機感を募らせ、「津波だけでなく地震も原発事故の原因だったはず。その解明もなく、原発を動かす姿勢は許せない」と語りました。
日本共産党の笠井亮衆院議員と吉良よし子参院議員が参加し、スピーチしました。
各地で金曜行動
全国的に猛暑が続く16日、「再稼働は許さない」「原発いらない」と各地で抗議の声をあげました。
秋田
秋田県の「さよなら原発県民アクション」は、秋田市中通の仲小路などをデモ行進し、「さよなら原発」「再稼働反対」などと唱和しました。
21人が参加。デモ行進に通行人が手をふって連帯を表明する光景もありました。
参加者らは「きれいな海を取り戻そう」などと書いた、思い思いのボードなどを持って「収束宣言、撤回」「子どもを守れ」などと声を合わせました。
岡山
原発ゼロをめざすイレブンアクション岡山実行委員会は、猛暑の申、岡山市北区の中国電力岡山支店周辺で52回目のデモ行進をしました。
伊原潔事務局長は、9月15日に1年2カ月ぶりに国内のすべての原発が運転を停止することなど原発をめぐる最近の動きを報告しました。参加者は「♪危ない原発 もうやめよう 安全神話は ウソだらけ 国民だまして 金もうけ 原発災害は 無反省」と歌って行進しました。
名古屋
名古屋市の関電東海支社前では、集まった市民らが「原発輸出は最悪だ!」「戻ってくるぞ核のゴミ!」との抗議を響かせました。
一団の真ん中でドラムを打ち鳴らすドラケンさん(46)は、「東海地震が近いってよく聞くし、そうでなくてもあちこちに活断層のある島国。次に事故が起きたら人の住める土地はますます狭くなるじゃないか。政府にはなぜ今すぐにやめる決断ができないのか」と憤ります。
札幌
札幌市の北海道庁前では、59回目の金曜行動に100人以上が参加しました。
主催者が「暑さに負けないで頑張りましょう。もっともっと大きな声で、原発はいらないと訴えましょう」と呼びかけると、いっせいに「再稼働反対」と声があがりました。
「仕事が盆休みなので参加できました」という男性(37)は、大きな魚の絵を描き「安全なんて大ボラ!」と訴える手作りのプラカードを掲げました。
新潟
「なくそう原発新潟市民ネット」の53回目の行動が、新潟市内で行われ、防護服の仮装3人を先頭に市街をデモ行進しました。
参加者は「平和の集いで被爆者の話を初めて生で聞いて感動した。これ以上被ばく者を増やすな、原発を廃炉にと訴えていた」、「自民・公明の県議6人が586万円の税金を使い、チェルノブイリなどに海外視察に行く。しっかり視察し、県民に結果を公表せよと申し入れた」と報告しました。
石川
石川県では、金沢市のJR金沢駅東口広場で原発再稼働反対や原発ゼロを訴える通算57回目の金曜行動が行われました。お盆休みで帰省中の人や観光で来た人なども含め、約30人が参加しました。
参加者らは「原発は必要かどうか」を聞くシールアンケートで通行人と対話。合わせて首都圏反原発連合作製のリーフレット「NO NUKES MAGAZINE」を配布しました。
脱原発への思いを込めた「どいね音頭」を合唱し、それぞれが手作りしたプラカードなどでもアピールしました。
富山県から来たという男性(25)は「現在2基の原発しか動いていないにもかかわらず、ほとんど支障は無いので原発はいらない。ましてや志賀原発は全くいらないものだと思う」と話していました。
福井
原発再稼働に対する毎週定例の抗議行動が、福井市の関西電力地域共生本部前で取り組まれ、参加者は「再稼働反対」とシュプレヒコールを上げました。
あわら市の男性(71)は「汚染水を海に流すとは何事だ」と憤りを表し、越前市の女性(67)は「原発をなくそうと子や孫にしっかり伝えていきたい」と発言しました。
原発からの脱却に向け、関電大飯原発(おおい町)が定期検査のため停止する9月15日に福井市で開く集会や、吉井英勝元衆院議員を招いて9月19日に開く学習会などへの参加が呼びかけられました。
岐阜
岐阜県高山市のJR高山駅前で、「原発いらない」「再稼働ストップ原発ゼロヘ」と声をあげました。
参加者は、明かりをともし、プラカードを手に、楽器の音を鳴らし「ふるさと大切だから いま守りたいものがあるなら 原発はいらない」と歌を歌い、アピールしました。観光客やタクシー運転手から注目されました。
楽器を鳴らしてアピールしていた男性(31)は「ヨーロッパみたいに、原発依存をやめ、減らして自然エネルギーヘの転換をしていくことを政治が検討していくことが必要だと思う」と話しました。