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「もんじゅ」追加調査へ・・規制委 破砕帯・評価会合で指示

原子炉建屋直下を走る破砕帯(断層)に活断層の可能性が指摘されている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子力規制委員会の専門家チームは8月26日、現地調査を踏まえた初の評価会合を開きました。

規制委の島崎邦彦委員長代理は「判断が難しい段階。もう少し時間をかけて検討したい」と述べ、必要な追加調査項目を整理し、原子力機構に指示する考えを示しました。

規制委員会 第1回高速増殖原型炉もんじゅ敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合(8月26日)での資料より=宮内崇裕(千葉大学院学理学部地球科学科)氏の資料から
規制委員会 第1回高速増殖原型炉もんじゅ敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合(8月26日)での資料より=宮内崇裕(千葉大学院学理学部地球科学科)氏の資料から

「もんじゅ」の原子炉建屋直下には破砕帯(断層)が通り、これが敷地の西500メートルにある、長さ約15キロメートルの活断層「白木(しらき)‐丹生(にゅう)断層」と連動して動くかどうか、敷地南東方向にある線状地形(L‐2リニアメント)が、「もんじゅ」の位置する北側に延びるかどうかなどが問題になっています。

会合では現地調査した4人の専門家がそれぞれの立場からコメント。敷地内に見られる破砕帯の性状を判断するために地表をはぎとる範囲を広げることや、破砕帯が動いた年代を明らかにするための年代測定実施を求める意見のほか、破砕帯の活動状況の評価に必要な上部の堆積物が敷地内になく、海域の堆積物の変位を調べる必要があるとする意見などがありました。

原子力機構は今年4月の報告書で、敷地内の破砕帯は、白木‐丹生断層に伴って動くことはなく、L‐2リニアメントにも活動性はないと、活断層ではないとしています。

「もんじゅ」は、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを燃料に使う核燃料サイクルの柱に位置づけられています。活断層の可能性が否定できなければ、「もんじゅ」は廃炉を迫られ、核燃料サイクル政策に大きな影響を与えます。

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