福島県の佐藤雄平知事は4月25日、県庁で東京電力の広瀬直己社長と会談しました。福島第1原発で予定外の建屋に汚染水を誤移送した問題など相次ぐトラブルについて、「極めて遺憾。現場の状況把握やリスク管理がずさんだ」と厳しく批判し、再発防止の徹底などを申し入れました。広瀬社長は「大変申し訳ない。新たに心配を掛けないよう万全に取り組む」と謝罪しました。
会談では、汚染前の地下水を海に放出する地下水バイパスにも言及。佐藤知事は、放出する際の放射性物質濃度を定めた運用基準の順守などを求めました。広瀬社長は「慎重に慎重を重ねて運用する」と強調。12カ所のくみ上げ用井戸のうち基準を超えた井戸では、くみ上げを一時停止し、放射性物質濃度の傾向を環視する方針を説明しました。
佐藤知事は、福島第2原発の廃炉も改めて求めましたが、広瀬社長は「今はまだ決められない。現状を見据えて判断する」と述べるにとどめました。