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緊急地震速報“誤報”のなぜ(下)・・“すぐ身を守る行動を”

海底地震計(気象庁提供)
海底地震計(気象庁提供)

システム上の限界で緊急地震速報が間に合わない場合だけでなく、8月8日のような″誤報″の事例もあります。気象庁がなぜ″誤報″が発生したのか原因を調査した結果、和歌山県北部の地震のP波を近くの地震計が検知するとともに、三重県南東沖の海底に設置してある地震計から送られてくるデータを受信する静岡県御前崎市の御前崎中継局の装置の不具合で大きな誤信号が発生し、その誤信号を地震の揺れとして解析したためとわかりました。

限られた地震計で観測されたデータを短時間で処理するため、震源や規模に誤差が生じることなども指摘されています。気象庁のまとめによると、2007年に警報が発表されるようになってから、緊急地震速報が発表されたのにどこもまったく揺れなかった事例が8月8日を含め3件、予想した地域が間違っていた事例が9件、震度3以上の揺れが観測されなかった事例が全体の約4分の1あったといいます。

気象庁は、こうした事例の多くは、東日本大震災の後、各地で地震が頻発するようになり、複数の地震が違う場所でほぼ同じ時間に発生した場合に、それを一つの地震としてとらえてしまったためだと説明します。

日本列島には東日本大震災の爪あとが生々しく残り、南海トラフ沿いの巨大地震や首都直下地震の発生が懸念されるなど、全国至るところで地震災害の危険性が指摘されています。気象庁は、緊急地震速報が出たときには実際に強い揺れが来ている事例が多いとして、緊急地震速報が出たら、ただちに身を守る行動を取ってほしいと呼びかけています。

(おわり)

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