東京電力福島第1原発事故の収束のめどがまったくたっていないにもかかわらず、東電柏崎刈羽原発、北海道泊原発の再稼働に動きだしています。高市早苗内閣は年末に閣議決定した2026年度予算案で、GX(脱炭素)を口実に、次世代革新炉の技術開発などの支援に25年度比331億円増の1220億円を盛り込むなど原発推進に固執しています。こうした背景には自民党が原発回帰にかじを切ったことがありますが、原発利益共同体の企業が自民党側に1年間で5・4億円もの献金をしていたことが本紙の調べでわかりました。
昨年11月末に公表された2024年の「政治資金収支報告書」によると、電力会社や原子力関連の企業・立地自治体などでつくる「日本原子力産業協会」(原産協会、会長=三村明夫・日本製鉄名誉会長、会員数402)の会員企業45社から、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に計5億4523万2000円の献金がありました。「革新軽水炉」の開発を手がける日立製作所3500万円、原発建設に使われる鉄鋼を供給する日本製鉄3200万円、JFEスチール1300万円などです。
原産協会が昨年6~7月に会員企業に行った調査(原子力発電に係る産業動向調査2025報告書)によると、電力各社の24年度の原子力関係支出は、23年度から「機器・設備投資」が大きく、前年度から7%増の2兆1968億円にのぼったとしています。
“原発マネー”が自民党側に流れ込んでいることになります。
同報告書は、昨年2月18日に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、第6次エネルギー基本計画にあった「可能な限り原発依存度を低減」という文言が削除され、新たに「再生可能エネルギーと原子力をともに最大限活用する」という方針が明記された原発政策の転換を評価しています。さらに原発の新規建設についても「次世代革新炉の開発・設置に取り組む」と記載されたことへの影響について調査したところ、69%の企業が「プラスの影響を与える」と回答しています。
経団連は昨年10月、「政治との連携強化に関する見解」を公表。このなかで、主要政党の政策評価を行い、自民党の実績として、「第7次エネルギー基本計画」の策定、「原子力の最大限の活用」を打ち出したことなどを「評価」し、会員企業に献金をすることを呼びかけています。
巨額献金が、政策を買収している実態の一端を浮き彫りにしています。(藤沢忠明)
(「しんぶん赤旗」2026年1月5日より転載)