首都圏反原発連合(反原連)は20日、「原発なくせ」と訴える首相官邸前抗議行動を行いました。前日、東京電力福島第1原発を視察して、“放射能汚染水は完全にブロックされている”といった安倍晋三首相。2800人の参加者(主催者発表)から「汚染水がコントロールされているなんて口先だけ」「危機的状況で再稼働なんてもってのほか」と怒りの声があがりました。
「再稼働より汚染水対策をしろ」「このまま全廃炉」などのプラカードが揺れる官邸前。反原連のミサオ・レッドウルフさんが「原発がなくても日本の電気はまかなえています。再稼働する理由はない。私たちは二度と再稼働は許しません」と訴えました。
さいたま市の女性(41)は「2年半たっても何も収束してないなんて世界に対して申し訳ない。汚染水をコントロールできるというならしっかりやってほしい」といいます。
東京都千代田区の女性(70)は「今朝の地震のときも福島と女川(の原発)のことが本当に心配でした。原発はすべて廃炉にしなければいけません」。
東京都墨田区の男性(55)は「汚染水を海に流すようなお粗末な国に、原発を動かす資格はない」と語りました。
塩川・吉良氏スピーチ・・官邸前
日本共産党の塩川鉄也衆院議員と吉良よし子参院議員は20日、原発に反対する首相官邸前抗議行動に参加して、スピーチしました。
塩川氏は、衆院経済産業委員会での調査を報告し、「東電に汚染水や原発の問題を処理する当事者能力はすでにない」と指摘。「東電を破たん処理し、国の責任で事故処理に総力をあげるべきだ」とのべました。
吉良氏は、安倍首相が東電福島第1原発5、6号機の廃炉を求めたことについて「福島原発に限らず、日本にあるすべての原発を廃炉にすべきです。全原発をなくすまでともに声をあげ続けましょう」と訴えました。
今こそ原発廃炉・・金曜行動 全国で
関西電力大飯原発が9月15日に定期検査で運転を停止し、1年2カ月ぶりに国内で稼働する原発がゼロになって最初の官邸前行動となった20日、各地でも「原発なくせ」の金曜行動が取り組まれました。
《岡山》
原発ゼロをめざすイレブンアクション岡山実行委員会は、岡山市北区の中国電力岡山支社周辺で57回目のデモ行進を行い、27人が参加しました。
今年7月、東京から岡山に避難してきた60代の女性が初めて参加し「娘と一緒に安心して暮らせるところにきました。原発ゼロをめざして、この行動にできる限り参加していきたい」とあいさつしました。
参加者は「♪原発の時代に 僕らは育った 安全神話を 僕らは信じた」と歌いながら行進。「原発再稼働を許すな」「安全なエネルギーを」と訴えました。
《愛知》
名古屋市の関電東海支社前では、金曜行動に立ち上げから参加している藤原はづきさん(42)が、「全原発の停止を迎えたが、安倍政権は6原発12基の再稼働への手をゆるめていない。抗議の声を上げ続けることはこれからますます重要になってきます」と参加者らに呼びかけました。
参加者らは高校生にもマイクを回しながら「未来を残せ!」「大飯は二度と動かすな!」と一緒に訴えました。
《秋田》
秋田県の「さよなら原発県民アクション」は、秋田市中通の仲小路などをデモ行進し、「再稼働許すな」「完全ブロック、ウソつくな」などと唱和しました。26人が参加。
大館市役所から″ハチ公小径(こみち)″までの「原発ゼロを求める金曜日大館行動」には、15人が参加。「流すな汚染水、陸で止めろ」「女川、東通、廃炉」などと訴えました。
汚染水早くとめて 「再稼働反対・原発ゼロに」・・金曜行動 各地で
関西電力大飯原発が定期検査で運転を停止し、1年2カ月ぶりに稼働原発がゼロになった最初の金曜日行動が9月20日、各地でとりくまれ、「再稼働反対」「原発ゼロ」の声が響きました。
《石川》
金沢市のJR金沢駅東口広場で、62回目の金曜行動が行われました。参加者らは、首都圏反原発連合製作のリーフレット「NO NUKES MAGAZINE」を配布し、「原発は必要かどうか」を聞くシールアンケートを持って通行人と対話。「原発事故は終わっていない」などと書かれた手作りのプラカードを持ってアピールしました。
シールアンケートに応じた津幡町の女性(53)は「事故から2年以上がたっても危険な状態が続くような原発は、人間の手には負えないと思う。減らしていくべきだ」と話していました。
《新潟》
新潟市で、なくそう原発新潟市民ネットの58回目の行動が新潟駅近くの石宮公園で行われ、市街をデモ行進しました。
集会で参加者は「柏崎刈羽原発の廃炉を求めて県に申し入れたことがNHKテレビで放映された。知事には会えなかったが、会えるまで何度でも要請しよう」「知事に廃炉を決断してもらうためにも、なんとしても15万人署名をやりきろう」と発言しました。
替え歌で「増やすな汚染水」(元歌「雪国」)を「いやよ原発今ではなおさら 暦はあの事故から2年半になるね 悔しくて憎くて泣きたくなる夜…」などと合唱しました。
《福井》
福井市内で毎週定例の抗議行動が取り組まれ、関西電力地域共生本部の前には、集まった参加者がプラカードをかかげて並びました。
原発問題住民運動県連絡会の林広員事務局長は、福井市で県内外から800人が集まった「9・15もう動かすな原発!福井集会」(15日)について報告し、協力ヘの感謝の気持ちをのべました。そのうえで、10月13日に東京で取り組まれる「10・13 NO NUKES DAY」の成功に向けた協力を呼びかけました。
参加者らは声を合わせて「再稼働反対」と訴えました。
《静岡》
静岡市葵区の青葉公園では、62回目の再稼働反対アクション@静岡が行われました。16人が参加し、「全国の原発稼働がゼロになった。このまま中部電力浜岡原発(御前崎市)廃炉へ。原発を全てなくそう」とアピールしました。
涼しい夜風が吹くもとでギター、ピアニカ、タンバリンなど、楽器の演奏と原発の危険性を訴える替え歌が響きました。交代でハンドマイクを握り、「原発が稼働してなくても電気は足りている」「福島原発の放射能汚染水問題は東京電力任せでなく政府が責任を」と訴えました。
参加した竹谷幸訓さん(41)は「福島原発事故は今も収束しない。浜岡が近くにあると思うと不安。原発は危険とともに、放射能の管理にばく大なお金がかかる。早くなくす決断をしてほしい」と話していました。
《長野》
長野市では、JR長野駅前をデモ行進する、金曜デモがありました。参加者はハンドマイクで訴えながら、楽器をならし、通行人に「原発なくそう」とアピール。参加者と一緒に拳をあげる女性や、デモ隊に手を振る若者の姿もありました。
コールするのは田中毅さん(47)。「原発は、売らない、つくらない、動かさない。そして全ての原発を廃炉にしよう」「原発いらない。汚染水は漏れている。コントロールされていない」と参加者20人ほどと声を合わせました。
《富山》
富山県では、いらんちゃ☆原発@富山が、富山駅前広場で57回目の行動に取り組みました。
参加者らはハンドマイクで「すべての原発なくそう」「さよなら原発」などとコールし、福島第1原発の汚染水問題などを訴えました。来月13日に開催する「ノーニュークスデイとやま」のビラも配布しました。今回も原発の賛否を問うシール投票を行い、その結果、反対が141、賛成が58、わからないが74になりました。
《岐阜》
岐阜県高山市のJR高山駅前で、午後7時すぎ、約10人が集まり原発ゼロをアピールしました。
参加した女性(70)は「原発事故が一度起きたら、いろんなとこも巻き込んで、日本だけの問題ではない。原発は絶対なくした方がいいという思いを行動に表して、なくす力にしていきたい」と語りました。
明かりをともし、楽器を鳴らして、「さよなら原発」「再稼働反対」と声をあげました。