原発の危険性に早くから警鐘を鳴らし続けてきた、原発問題住民運動連絡センター(原住連)事務局長を務める立石雅昭・新潟大学名誉教授(地質学)が20日夜、「ふくしま復興支援フォーラム」(オンライン開催)で講演しました。昨年の能登半島地震の教訓をもとに、事故から15年近くたった“事故炉”である東京電力福島第1原発が倒壊する危険性を指摘しました。
「2007年に世界で初めて地震で被災した柏崎刈羽原発が再稼働されようとしている状況のもとで、福島第1原発が抱える危険性を話したい」と切り出した立石氏。複数の活断層が連動して大きな地震を引き起こした能登半島地震の調査・研究の現状を解説。活断層の事前の推定が不十分だったと指摘し、半島の北西岸で4メートル級の隆起を引き起こした断層の動きは「いまだにまったく解析されていない」と強調しました。
さらに、炉心溶融を起こした福島第1原発では、原子炉を支える土台が破損しているため震度6強で倒壊の可能性がある―という原子炉設計の専門家の分析を紹介。事故以前から巨大地震・津波に対する想定が甘かった状況を振り返りながら、現在も、能登半島地震の新知見に照らして周辺の活断層による地震への想定が甘いと批判しました。
廃炉までに敷地を震度6強の地震が襲う危険性に警鐘を鳴らし、政府・東電に「能登半島地震の教訓を普遍化した、早急な対応を求める」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2025年11月22日より転載)