
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)で今年6月、東電社員がテロ対策に関する秘密文書の不適切な管理を行っており、ほかにも類似の行為を行っていたことが分かりました。20日に非公開で行われた原子力規制委員会の臨時会議の議題にあがりました。原子力規制検査を継続し、さらに事実確認を進めるとしています。
同原発では過去にも、IDカード不正使用や侵入検知設備の故障の放置など、テロ対策関連の不祥事が相次いで発覚。2021年4月から約2年8カ月にわたり、規制委から事実上の運転禁止命令を受けていました。
原子力規制庁が20日の臨時会議に提出した資料によると、テロなどから核物質や原子力施設を守るための核物質防護で秘密の厳重な管理が法令上、求められています。しかし今回、秘密を扱う立場の社員が、必要な手続きを取らずに秘密文書を保管場所から持ち出して複製し、社内の個人の机に保管していました。机は鍵がかかるものだったといいます。
同案件を受けて、東電が調査を進めたところ、当該社員による類似の行為が追加的に確認されました。
東電はさらに調査を進めており、現時点の検査では社外への漏えいは確認されていません。
同原発では、ほかにも、秘密を含む文書が複製され委託業者に渡されていた案件、破壊行為に使用される可能性のある工具が持ち込み許可がないのに点検が不十分で防護区域に持ち込まれた案件が、今年度第2四半期の検査指摘事項として確認されました。
(「しんぶん赤旗」2025年11月21日より転載)