北陸電力志賀原発(石川県志賀町)は安全性に問題があるとして、地元住民らが1、2号機の運転差し止めなどを求めた訴訟で、新たに北陸など18道府県の60人が17日、第3陣として金沢地裁に追加提訴しました。昨年1月の能登半島地震を受け、12年ぶりの追加提訴となりました。
1次提訴は東京電力福島第1原発事故後の2012年で、石川と富山両県の住民120人が原告となりました。翌13年に、福島県からの避難者ら5人が2次提訴。これまでに計46回の口頭弁論が開かれ、北陸電側は「福島のような事故を防止できるよう万全を尽くしている」などとして請求棄却を求めています。
提訴後の記者会見で、原告団長の北野進さん(65)は「能登地震の教訓を裁判でも法廷の外でも生かす」などと訴えました。石川県珠洲市の落合紅さん(47)は、避難当時の状況を振り返り、「もし志賀原発が動いて(事故になって)いたら私たちは逃げられなかった」と話しました。
志賀原発では現在、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査が続いています。原告側弁護団によると、結審の見通しは立っていません。(時事)
(「しんぶん赤旗」2025年11月19日より転載)