四人が死亡した関西電力・美浜原発3号機事故で、日本共産党福井県委員会は十一日、中川昭一経済産業相と原子力安全・保安院に徹底究明と再発防止などを緊急に申し入れました。十日に事故現場を調査した吉井英勝衆院議員、木島日出夫前衆院議員、塩川鉄也衆院議員秘書らが同行、定期点検準備という名目で運転中の原発建屋に安全軽視で多数の労働者を入れないことを強く求めました。伊藤敏原子力防災課長、梶田直揮原子力発電検査課長が対応しました。
同事故では、小学校などの二十五メートルプール三つ分に相当する八百トンの高温水が一気に蒸気や熱湯として建屋内に噴出。吉井議員は「建屋には小さな出入り口しかない。二百人がすぐ避難できない構造だ。(死傷した)十一人以外にも高温の蒸気を吸うなどして気道にやけどを負っている可能性もある」とのべ、事故建屋に入っていた労働者全員の健康調査を求めました。
伊藤課長は「報告を受けているのは十一人だけ」と説明。原子力安全・保安院として建屋に入っていた労働者の健康状態を把握してないことがわかりました。労働災害問題として、厚生労働省と緊急に連絡をとって対応していくと答えました。
原発稼働中での準備作業について、梶田課長は「十四日から定期点検すると申請がでている。東電の記録改ざん事件の反省から、自主点検や準備作業も国が確認することにし、社内の内部監査機能も強化するようにしている」と説明しました。
日本共産党福井県委員会副委員長の佐藤正雄県議らは、事故原因の徹底究明および再発防止に全力をあげる▽事故を教訓に県内の原発を総点検する▽住民へのすみやかな通報をはかること――など四項目を要請。緊急申し入れには、党国会議員団福井県事務所の宇野邦弘所長、敦賀市の上原修一、山本貴美子両市議が参加しました。