「このやけどした顔をみてやってくれ」「こんな事故は、息子を最後にしてほしい」。関西電力美浜原発の蒸気噴出事故で死亡した木内計測の社員の通夜や葬儀では、遺族や同僚らの悲痛な叫びがあがりました。
「関電はもっとしっかり点検すべきだ。許せない」。十一日午後一時から行われた関西電力美浜原発の事故で」高温の蒸気を浴び死亡した高鳥裕也さん(29)の葬儀では、同級生らの怒りの声も聞かれました。福井県小浜市北塩屋の自宅で行われた葬儀には、親族や同僚、友人など約百人が参列。父の実さんは式の間終始うなだれていました。
ひつぎを閉めるとき、実さんは涙を流しながら「ようがんばった。もう仕事のことは心配せんでええ。ゆっくりせい。ありがとう」と何度も声をかけます。母の千津江さんも冷たくなった裕也さんに顔を近づけ声を上げて泣いていました。出棺時のあいさつのときも千津江さんは実さんの横で裕也さんの遺影を抱きしめ泣き続けていました。裕也さんの友人で、よくいっしょに食事をしたという大飯町の時田雅之さん(30)は事故直後、テレビで裕也さんの名前を見たとき信じられなかったといいます。
小浜市の同級生の女性(29)は、中学生だったこの裕也さんを「いつも」こにこしていて、怒っこところを見たことがなった」と、無念さをこめて話していました。
関電社長が謝罪
関西電力美浜原発の蒸気噴出事故で、死亡した木内計測社員田岡英司さ(40の通夜が十日夜、福井県上中町の公民館でありました。藤洋作関電長も訪れ謝罪。遺族ら「なぜこんな事故が起たのか」と詰め寄りました。通夜は会社の同僚や知人らが参列。妻は「夫が亡くなったのを今でも現実と受け止められません」などと、涙ながらに参列者にあいさつしました。