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原発の危険 厳格判断を/名古屋高裁 老朽機控訴審で原告側

裁判所前でコールする原告ら=9日、名古屋市

 運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)、関電美浜原発3号機(同県美浜町)の運転期間を延長した認可の取り消しを求め、福井県などの住民らが国を訴えた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が9日、名古屋高裁でありました。国側は控訴棄却を求めました。それぞれ、別の裁判長のもとで判断されます。

 今年3月の名古屋地裁判決では、「原子力規制委員会の審査及び判断に不合理な点は認められない」として住民側の請求を棄却しました。

 藤川誠二弁護士は、福島第1原発事故から14年がたつ現在も約3万人の避難者や帰還困難区域が広大に及んでいることを指摘しました。「原発被害の矮小(わいしょう)化や政策から影響を受けることは司法の責任放棄に他ならない」と述べました。

 中野宏典弁護士は、「『疑わしきは安全のために』の方針のもとに深刻な災害が万が一にも起こらないよう、裁判所による厳格な判断が必要です」と求めました。

 閉廷後の記者会見で原告の林広員さん(オール福井反原発連絡会事務局)は、「『原発いらない』の思いを全国で共有し、政治を変え原発ゼロを実現したい」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2025年10月10日より転載)