東京電力福島第1原発事故で発生するALPS処理水の海洋放出開始から2年。ふくしま復興共同センターは6日、現状と問題点などについての学習会をオンラインで開催しました。
野木茂雄代表委員は「最大の問題は、廃炉完了(2051年)までに終了する保障がないことです」と訴えました。
2023年8月24日に海洋放出が強行され、これまでに15回実施。今年8月25日までの累計放出量は、約10万9800トン(東電発表)で、原発団研(福島第1原発地質・地下水問題団体研究グループ)の試算によると新たな汚染水が約5万4000トン発生しており、実際に減少した量は約半分という状況です。
講師の福島大学・柴崎直明教授(原発団研代表)は、汚染水は現在も日々増加しており、海洋放出問題の根本的な原因になっていると指摘。「抜本的な汚染水発生量削減のためには、原発団研が提案する広域遮水壁、集水井と水抜きボーリングによる対策を国と東電は実施すべきだ」と強調しました。
参加者からは、「東電の発表だけではわからないこともある。今後もこういう学習会を続けてほしい」と感想が寄せられました。
(「しんぶん赤旗」2025年10月8日より転載)